本稿は「Qt for Android Automotive 6.5 is released」の抄訳です。
Qt 6.5 LTSをもとに、多くの新機能や改良を加えたQt for Android Automotive(QtAA)の最新バージョンがリリースされました。
Qt 6.5で導入された最新機能を用いて、Android Automotive向けのQtアプリケーションを構築・展開できるようになりました。例えば、Qt Quick Effect Maker により、開発者は複雑で強力なカスタムエフェクトをライブプレビューで視覚的に適用することができます。
Qt Quick 3Dの改良点を見ると、カメラ距離に応じて3Dシーンの処理効率を向上させるLOD (Level of Detail) を導入しています。これらの機能により、ADASビューや駐車支援UIを圧倒的なパフォーマンスでリアルタイムに3Dレンダリングするといったユースケースが可能になります。
Android 12 (Android Automotive OS 12を含む) において、Qtアプリケーションの中に他のAndroid Activityをラップできるようになりました。Android Automotive OS の Qt ActivityView では、サードパーティのネイティブ Android アプリケーションを Qt ベースのホーム画面 UI と一緒に表示することが可能です。
通常、Qt 製品はマイナーリリースの間にバイナリやソースが途切れることはありません。しかし、Qt for Android Automotive は新しい製品であるため、この機会に API のカプセル化、ユーザビリティ、デプロイメントを改善することにしました。これは、既存のクラスや型を論理的にグループ化されたモジュールに再編成することで実現しました。この構造により、将来的にAPIを追加する際に必要な開発工数を削減することもできます。
テクノロジープレビュー(TP)として、以下の新しいAPIを追加しています。
新しい C++ および QML API の完全なリストは、Qt for Android Automotive 6.5.0 の変更履歴に記載されています。
既存の Qt for Android Automotive ユーザーは、以前の 6.2.x, 6.3.x, 6.4.x バージョンからアップグレードをお勧めします。バージョン5.15.x ベースのプロジェクトの場合は、Qt 6 移行ガイドに従ってください。Qt for Android Automotiveの評価にご興味のある方は、弊社営業担当までご連絡くだ
Qt for Android Automotiveの技術情報については、Qt for Android Automotiveのドキュメントをご覧ください。