ユングハインリッヒ社について
ユングハインリッヒ社は1953年に設立された世界有数のソリューションプロバイダーです。ユングハインリッヒ社は産業用トラック、ロジスティクスシステム、サービスの包括的なポートフォリオにより、インダストリー4.0の課題に取り組むための完璧にカスタマイズされたソリューションをお客様に提供しています。
世界中で、ユングハインリッヒという名前は高性能な産業用トラックや物流システム、さらにはインダストリー4.0アプリケーションに関連づけられています。ハンブルク近郊のノルダーシュテット工場では、同社はパレットトラック、リーチトラック、オーダーピッカーを製造しています。また、ここで様々な製品シリーズ向けの制御ユニットソフトウェアの開発も行われています。ユングハインリッヒ社にとって、複雑なシステムや変動する市場ニーズに対応しながら、ソフトウェアとその基盤となるアーキテクチャの高品質を維持することが重要です。そのため、同社は現在、Axivion Suiteのサポートを活用しています。
Axivionを選択した理由
Axivionは、複雑なシステムや動的な市場の要件に直面しても高品質を維持するのに役立ちます。
Axivionは、MISRA C/C++（最新の2023年リリースを含む）、EN 1175、および顧客固有のルールなど、すべての関連基準やガイドラインに対応しています。
Axivion アーキテクチャ検証 は、コードが指定されたソフトウェアアーキテクチャと整合しているかどうかを定期的にチェックします。
シームレスな統合により、開発者は使い慣れた IDE で作業を続けながら Axivion を使用できます。
ソフトウェアのアーキテクチャをより深く理解することで、生産性と品質が向上します。
Axivion が日常業務のルーチンに統合されるため、開発者は毎日のコードレビューを簡単に実行できます。
技術的な観点から見ると、Axivion Suite は、自動化されたコードとアーキテクチャー検証のためのすべての機能で私たちを魅了しました。しかし、開発者の間で高いレベルで受け入れられ、迅速かつ生産性の高い結果が得られたのは、Axivion プロフェッショナル・サービス・チームによる優れたサポートがあったからです。新しいツール・スイートの展開方法とワークフローへの統合方法、さらに関係者全員に対するモチベーションの高いトレーニングが、スイートを完全に成功に導きました。
ユングハインリッヒ社のソフトウェア・アーキテクチャおよびモジュール担当チームリーダー
Jan Schröder氏
課題
かつて、フォークリフトは、倉庫内で荷物を移動させるための単純な補助具にすぎませんでした。しかし、ユングハインリッヒ社のフォークリフトには、豪華車と並ぶほどの安全および支援システムが搭載されています。自動車業界と同様に、革新は主に電子機器とそれに関連する組み込みソフトウェアによって推進されています。これらのフォークリフトには、ステアバイワイヤやブレーキバイワイヤのシステムが統合されているだけでなく、安全性を最適化するための高度なセンサーやカメラシステムも装備されています。
これらのフォークリフトやソフトウェアコードには、さまざまな要件を満たす必要があります。たとえば、製品に対するEN 1175（産業用トラックの安全性）や、コードに適用されるMISRA C:2012基準があり、これらはユングハインリッヒ社独自のコーディングガイドラインに基づく品質基準に加えて適用されます。
製品のライフサイクルは非常に長く、しばしば10年以上に及びます。そのため、これらの製品に必要とされる品質保証のレベルは、ユングハインリッヒ社の組み込みソフトウェア開発者が直面する多くの課題の一つにすぎません。システムの複雑さ、プログラミングの納期、そして複数の製品シリーズを管理するだけでなく、市場からの新たな要件にも対応する必要があることから、関わるプロジェクトの膨大な数がチーム全体にとって非常に大きな挑戦となります。
増加し続ける組み込みソフトウェアプロジェクトに対応するため、ユングハインリッヒ社の成功の鍵となっているのが、同社のアジャイルソフトウェア開発プロセスです。このプロセスを支援し、複雑なソフトウェアとアーキテクチャの品質を維持するために、ソフトウェア開発チームは日々の業務でAxivion Suiteを活用しています。
ソリューション
Axivion Suite は、自動静的コード解析のためのツールセットです。定期的なチェックを行うことで、クローン、デッドコード、循環的な依存関係など、ソフトウェアプログラミングで一般的に見られるさまざまなエラーの原因を検出します。同時に、ルールチェッカーはユングハインリッヒ社独自のコーディングガイドラインおよびMISRA Cなどの重要な品質保証基準の遵守を確保します。
現在、Axivion SuiteはMISRA C:2004、MISRA C:2012、MISRA C++:2008の自動チェック可能なルールの100%に対応しています。チェックと解析の結果は、Axivion Suiteによって自動生成されたレポートとしてユーザーに提示されます。ただし、Axivion Suiteは新しく作成されたソフトウェアコンポーネントの管理にとどまりません。ユングハインリッヒ社では、機能や製品ラインの拡充に伴い、数百万行のコードを含む大量のレガシーデータが蓄積されています。Axivionの差分解析機能を使用することで、開発者はこのレガシーコードも自動テストサイクルに組み込むことができます。こうしたコードレビューは開発者にとって敬遠されがちですが、ユングハインリッヒ社ではAxivion Suiteのおかげで、日常の開発プロセスに自然に組み込める、管理可能なタスクへと変わっています。
開発者は新しい開発環境に慣れる必要はありません。なぜなら、Axivion Suiteはすでにユングハインリッヒ社で使用されているMicrosoft Visual Studioに組み込まれているからです。このシームレスな統合により、開発者は慣れ親しんだIDEで作業を続けることができます。Axivion Suiteは静的コード解析だけでなく、アーキテクチャ検証ツールも含まれており、ソフトウェアアーキテクチャの要件が満たされているかどうかを監視する主要なツールとなっています。新製品の開発や既存製品の改良においても、アーキテクチャの仕様を遵守することは、ソフトウェアの長期的な保守性とコードの高品質を確保するために極めて重要です。Axivion Suiteのアーキテクチャ検証機能は、定期的にチェックを行い、コードが指定されたソフトウェアアーキテクチャと一致しているかどうかを判断します。アーキテクチャは、ユングハインリッヒ社のソフトウェアアーキテクトによってIBM Rational Rhapsodyを使用してモデル化され、その後、ツールスイートに直接インターフェースを介して取り込まれ、さらなる分析が行われます。アーキテクチャからの逸脱は、自動静的コード解析と同様に構造化されたレポートで開発者に通知されます。
Axivion Suiteの導入は、Axivionのユーザー重視のプロフェッショナルサービスチームによって最初からサポートされました。彼らは、ツールスイートが既存の開発システムに迅速に統合され、ユングハインリッヒ社特有の要件がコードおよびアーキテクチャの検証プロセスに組み込まれるよう支援しました。その上、チームは新しいツールの導入初期段階から開発者を巻き込みました。徹底したトレーニングセッションと個別指導のおかげで、各従業員はAxivion Suiteとその機能を短期間で効率的に使用する方法を習得しました。
成果
新しいツールスイートは、ユングハインリッヒ社の組み込みソフトウェア開発者の間で非常に高い受け入れを得ました。その理由は、トレーニングにより、全員がAxivion Suiteを日常業務に統合できるようになり、迅速に成果を上げたことでモチベーションが高まったためです。ユーザーフレンドリーなインターフェースと簡単に編集可能なレポートのおかげで、既存のコードへの変更を行う意欲が大幅に向上しました。さらに、新しい従業員も迅速に戦力化され、Axivion Suiteに統合されたドキュメントを活用することで、独立して学習し、自分のニーズに応じて自己学習することができます。
全体として、Axivion Suite は、増え続けるシステムの複雑さにもかかわらず、開発者の日々のコードレビューを容易にしています。また、Axivion Suiteから得られる迅速なフィードバックは、開発者が新たに作成したコードについて学び、ソフトウェアのアーキテクチャに対する理解を深める手助けをしています。このようにして、得られた知識を次のコーディング作業に直接応用できるため、ソフトウェア開発の生産性と品質が自然に向上します。
すでに迅速な成果を上げている上に、ユングハインリッヒ社はAxivion Suiteの支援を受けて未来に向けた準備を整えています。組み込みソフトウェア開発者はさらなる革新の波に備え、そしてそれに伴う組み込みソフトウェアの重要性の高まりにも対応しています。ソフトウェアは常に革命的な新しいアプリケーションの基盤であり、自動車市場だけでなく他の分野においても変わらず重要な役割を果たしています。
ソフトウェアコードの高品質確保するために、静的コード解析とアーキテクチャ検証ツールAxivion Suiteの
デモスケジュール調整や個別相談をご希望の場合、お気軽にお問い合わせください。
