HENSOLDTについて
HENSOLDT 社は、セキュリティおよび監視ミッション用のプレミアムセンサを提供する、世界有数の独立系サプライヤです。同社はミサイル警戒システムや潜水艦周辺スコープなどの分野で世界的に知られており、さらに、レーダーシステム、オプトロニクス、電子保護システムの市場にも製品を投入しています。
同社は、2017年にエアバス・グループから分離独立した後、エアバス・グループのセキュリティおよび防衛エレクトロニクスを担っており、現在はHENSOLDTのブランド名で新たなセンサーハウスとして市場に参入しています。HENSOLDTの従業員数は約4,000人で、年間売上高は約10億ユーロです。HENSOLDTの詳細についてはWebサイトをご覧ください。www.hensoldt.net
HENSOLDT Sensors 社（旧 Airbus OS Electronics and Border Security 社）は、幅広いシステムバリエーションに対応する製品ラインアーキテクチャを導入しました。自動アーキテクチャ検証により、Axivion Suite はバリアントの管理と効率的な製品開発をサポートします。
Axivion選定の理由
バリアントの管理をサポート。
ソースコード内の製品実装と、指定された製品ラインアーキテクチャとの継続的な比較により、逸脱を即座に特定。
開発プロセスから計画や保守を困難にする隠れた依存関係を完全に排除。
複雑な UML モデルを、コード化の際により明確化。
アーキテクチャからの逸脱を、コスト効率よく、納期を変更せずに修正。
製品バリアントのメンテナンスにかかる全体的な労力を大幅に削減。
Axivion Suiteによって、統合の労力と統合リスクを大幅に削減できました。
HENSOLDT Sensors GmbH OSSソフトウェア責任者 Daniel Zimmermann氏
課題
HENSOLDT Sensors GmbH社（旧Airbus OS Electronics and Border Security社）は、保護、偵察、監視、状況認識のためのプレミアム・エレクトロニクスの世界的リーディング・プロバイダーです。ソフトウェア・エンジニアリング - オペレーショナル・サポート・システム部門は、あらゆるタイプのヘリコプター用航空防衛システムのオペレーション・プランニングおよびサポート・システムのソフトウェア開発を担当しています。
同部門のサービス範囲は、モデリングから開発、運用支援システムの検証や試運転、納入済みシステムのサポートまで多岐にわたります。運用支援システムにより、顧客は戦術的にも技術的にも配備の準備と実施をすることができます。海外顧客は、運用支援システムに対して個別に異なる要求を持っています。これらのシステムは、顧客独自のバリアントとして実装され、供給されます。これはシステムのバリアント管理における重要な課題です。主要な個別バージョンの増え続けるバリアントを効率的に管理しつつ、開発を進めなければなりません。
HENSOLDT はバリアント管理のためにプロダクトラインアーキテクチャを導入し、これに対して一貫したコンプライアンスを保証する必要があります。これはすべての製品バリアントと個々の製品のライフサイクル全体に関係します。このため、HENSOLDT は当初から製品ラインアーキテクチャに支えられた持続可能なアプローチを選択しました。ソフトウェアが計画された構造を体系的、均一かつ正しく実装するためには、アーキテクチャへの準拠を確認する必要があり、これには膨大な手作業を要します。
ソリューション
2008年以降、Axivion Suiteを使用することで、以前は手作業だった確認作業が自動化されました。これにより、実際のアーキテクチャを非常に効率的かつ継続的に完全にレビューできるようになりました。
ソースコードの製品実装と、指定された製品ラインのアーキテクチャを継続的に比較することで、アーキテクトや開発者は、逸脱を即座に確認でき、関連する責任者は常に情報を得ることができます。
開発中の継続的な分析により、アーキテクチャの一貫した計画通りの実装が保証されます。Axivion Suite は、計画からの逸脱を特定すると、その原因をアーキテクトと開発者に的確な方法で通知します。つまり、トラブルシューティングを即座に開始し、開発者がそれに応じてコードを修正するか、もしくはアーキテクトがアーキテクチャを改良することができます。開発プロセスから隠れた依存関係が完全に排除され、後の開発フェーズで計画やメンテナンスが困難になることがなくなります。
継続的なレビューは、繰り返し発生する無駄を取り除いて効率的に実行され、アーキテクトと開発者は、重要な建設的な業務により集中することができます。
実稼働していて常に最新版が保たれているアーキテクチャは開発の柔軟性を高め、HENSOLDT は顧客からの変更要求に迅速に対応できるようになります。アーキテクチャモニタリングのおかげで、開発チームは常に安全な計画を立て、変更に必要な期間を決定することができるようになりました。
成功
HENSOLDTがアーキテクチャ検証で導入した手順は、アーキテクトや開発者にも歓迎されました。これは、アーキテクチャー仕様と複雑な UML モデルが、コードとしての実装に関してより理解しやすくなったことが一因です。Axivion Suiteは、逸脱を検出すると、直ちに該当部門へフィードバックを発出します。これにより、すべての開発者がアーキテクト・モデルの意味とそれを実装する方法を理解できるようになり、フィードバックループの形ですべての開発者に学習効果がもたらされます。アーキテクチャ検証によって、誤解が即座に発見されます。
アーキテクトも同様の学習効果を経験します。アーキテクトは、Axivion Suite を使用することで、UML モデルを開発者にとってより理解しやすくするための知識と経験を得ることができます。アーキテクトは、どの程度の深さのモデリングが妥当であるかの感覚を養い、実装時の影響を正確に見積もることができます。これによって、モデリングの労力と利益の最適なバランスを取ることができます。
統合リスクの最小化おいても、大きな成果を得ることができました。統合の際、製品はそれぞれの顧客のバリアントで作成されます。統合はプロセスの最終段階で行われ、以前は顧客バリアントが指定された要件を正確に満たしていることを保証するためのセーフガードとしても使用されていました。現在では、このセーフガードはアーキテクチャのレビュー時にすでに実装されており、開発プロセスのかなり早い段階で実施されています。つまり、いかなる逸脱も、よりコスト効率良く納期に対するリスクも少なく修正することができるのです。
アーキテクチャ解析以外にも、Axivion Suite はメトリクスの記録にも使用されます。さらに、HENSOLDT のプログラミング・ガイドラインも Axivion Suite で監視されます。これは、ソフトウェアを確実に保守し、エラーの発生確率を最小限に抑え、ソフトウェア劣化のさらなる原因からコードを保護するためです。メトリックスとコードテストの結果は、レビューとレポート作成の KPls としても使用されます。
HENSOLDT 社は、大規模な既存のコードベースに Axivion Suite を実装しました。仕様に対する違反の排除は、新しいコードからはすべての逸脱を排除し、既存のコードからは重大な影響を及ぼす違反のみを排除するという指針に従っています。従って、以前に検証されたシステム・コンポーネントは、完全な再承認を受ける必要はありません。この手順が可能になったのは、ベースラインと比較して新たな逸脱のみを表示する Axivion の差分デルタ解析のおかげです。HENSOLDT 社は、Axivion Suite による自動アーキテクチャ検証の導入により、製品バリアントのメンテナンスにかかる絶対的労力を大幅に削減しました。これは、Axivion Suite の導入以来、開発者チームが大幅に増加しシステムのコード量が倍増しているため、特に注目に値します。
