24年10月09日
QtのフレームワークがUSEN-ALMEXの医療DX推進に貢献
開発時間を大幅に短縮、メンテナンス効率の向上へ
~インターンシップを通し技術者育成でも協力~
クロスプラットフォームのソフトウェア開発ライフサイクルを包括的にカバーするソリューションを提供するQt Group(Nasdaq Helsinki: QTCOM)は、株式会社U-NEXT HOLDINGS(本社:東京都品川区)のグループ会社である株式会社USEN-ALMEX(本社:東京都品川区、以下USEN-ALMEX)と次世代の技術者育成で協業しています。
2024年8月20日には、U-NEXT HOLDINGS、USEN-ALMEX主催の学生向けインターンシップが開催されました。このインターンシップにはQt Groupが参加しており、QtエンジニアがQMLに関する質疑応答を行い、学生たちの実践的な学びをサポートしました。
また、USEN-ALMEXにおいては、数年前から製品開発の際にQtフレームワークを活用されています。2021年10月よりUSEN-ALMEXが運用を開始したオンライン資格確認対応顔認証付きカードリーダー「Sma-pa マイナタッチ」(以下マイナタッチ)の開発にもQtフレームワークを活用いただきました。一方、USEN-ALMEXでは50年以上にわたって数多くのシステムを開発してきたため、社内で様々な開発言語が使用されており、それぞれの言語に対する属人化が進み、人材リソースの配置に課題が生じていました。そのため、「マイナタッチ」UI開発以降も、UI開発に使用する言語を統一する目的で現在までQtフレームワークを活用いただいています。
QtではQMLの基本的な機能を習得すればアプリ開発が可能であり、USEN-ALMEXではQt採用後、新人エンジニアが開発に参加できるようになるまでの時間が、数か月から数年かかっていましたが、最短3週間に短縮することで、開発コストやメンテナンス性が改善されるとともに、開発工数を削減してテストに多くの時間を充てることで品質の向上を実現しました。
短期間で開発のブラッシュアップを実現
- 学習時間の短縮: Qtは全ての機能を把握しなくてもQMLの基本部分だけ学習すればアプリを開発できるため、新人エンジニアが開発に参加できるまでの時間が大幅に短縮。
- 開発コストと時間の削減: 画面デザインの変更やブラッシュアップが効率よく短期間で可能になり、ローコストな開発が可能に。
- 開発効率とメンテナンス性の向上: UI部のソースコード行数を抑え、改修箇所の特定が容易になり、マイナタッチのカスタマイズが僅かな時間で完了。
- 高い開発品質の実現:テストにより多くの時間を充てられるようになり、品質の維持・向上。また、Qtによる開発ではほとんどエラーが出ない。
「マイナタッチ」の開発プロジェクトリーダで、USEN-ALMEX常務執行役員CTO R&D本部長 井上晋氏は、次のように述べています。「KIOSK(Windows、Linux)向け、組込デバイス向け、STB向け、スマートフォン向けのUI開発をQtに寄せることによって、社内の人材育成とノウハウの蓄積が非常に効率的になると確信しています。」
今後、USEN-ALMEXでは新製品のUI/UX開発でもQtを採用し、開発環境の統一化と開発リソースの有効的な活用を目指します。
Qt の日本担当カントリーマネージャーである西尾則子は次のように述べています。
「弊社製品がUSEN-ALMEX社の医療DXの基盤となるオンライン資格確認対応顔認証付きカードリーダーの開発において、生産性及びソフトウェアの品質向上に貢献できましたことを大変嬉しく思います。Qt Groupはこれからも、USEN-ALMEX社をはじめとする日本企業の製品開発ライフサイクルにおける生産性向上と、次世代技術者の育成を支援してまいります。」
昨年に引き続き開催されたインターンシップを通じて、USEN-ALMEXは優秀な人材の確保を、Qt Groupは製品開発ライフサイクルにおけるお客様の生産性向上と、次世代技術者育成の支援を、それぞれ効果的に進めることが期待されています。
【株式会社USEN-ALMEXについて】
1966年設立。医療機関、ホテル、ゴルフ場、アミューズメント施設などで活用する、自動精算機(KIOSK)やセルフチェックイン機、ホテル管理システム、受付・案内表示システム等を開発・販売する。業務オペレーションの効率化や施設利用者の利便性をサポートするトータルソリューションの製品・サービスを、最先端の技術で提供。その多くの領域で市場シェアトップの地位を築いている。