未来を見据えた信頼性の高い船舶オートメーションシステム
Blue Ctrl ASは、最先端のX-CONNECT®オートメーションプラットフォームに基づいて、船舶オートメーションシステムを開発しています。X-CONNECT®プラットフォームは、船舶の運航および制御システムのあらゆることを簡単かつ効率的に構成することができます。
船舶オートメーションシステムの世界なプロバイダとして、Blue Ctrl社はX-CONNECT®プラットフォームのライセンスを海軍産業のいくつかの主要企業に提供しています。
X-CONNECT®はQtフレームワーク上に構築されており、Qtがミドルウェアとして、異なるシステムを簡単に統合するために必要な抽象化と標準化のレベルを提供します。これにより、異なるモジュール同士の通信や複数のソフトウェアスタックを1つのコードベースに実現することが可能になるプラットフォームエンジニアリングの事例のひとつです。
Qtテクノロジーの核心である標準化と再利用性の考え方に基づき、このプラットフォーム戦略は、制作ワークフロー、品質、効率に大きなプラス効果を発揮します。
最先端の船舶オートメーションシステム
現代の産業用船舶は、地球上で最も過酷な環境下での運航を想定して設計された高度な機械です。これらの船舶には、航行・通信システム、エンジン、貨物管理システムなどの最先端技術が搭載されており、大洋横断する時に人や物資の安全かつ効率的な輸送を可能にしています。他産業との類似点も多く、デジタル化は海軍のプロセスの自動化と最適化の役割を果たしています。
アラーム・モニタリング・システム（AMS）は、船舶の状態を検知、通知、警告し、安全性の維持と規制の遵守をサポートします。AMSは、情報を収集、処理、保存、配信、表示するためのさまざまなハードウェアとソフトウェアのコンポーネントで構成されています。一般的には、動力、エンジン、推進力、安定性、貨物システムなど、さまざまな船舶コンポーネントからの情報を統合しています。
情報はリアルタイムテクノロジーを用いた専用のGUIでタイムリーかつ継続的に提供され、記号とインタラクティビティを活用してユーザーエクスペリエンスを向上させています。
Qtの技術とQt プロフェッショナルサービスが、Blue Ctrl 社のニーズにどのように応えているのか、詳しく見ていきましょう。
X-CONNECT®プラットフォーム
さまざまなデバイスやプロセスを統合し管理するAMSを実装することは、新たな委託のたびにその場限りのソリューションで解決するような簡単な作業ではありません。Blue Ctrl社は開発プロセスの標準化と再利用性のレベルを高めるために、プロジェクトベースのアプローチから製品ベースのアプローチに移行することを選択しました。これにより、Qtベースのハードウェアとソフトウェアに依存しない船舶オートメーションシステムが構築されています。
X-CONNECT®プラットフォームは、データ通信、マルチゲートウェイIOインターフェース、ツーリング、高解像度UIを含む産業用ハードウェアと構成設定可能なソフトウェアを組み合わせたものです。モジュール設計により、拡張性と柔軟性に優れています。Qtフレームワークの柔軟性とモジュールをベースに、X-CONNECT®は様々な構成で最適なパフォーマンス、信頼性、効率性を提供します。
Qtのクロスプラットフォーム機能とQMLのモジュールは非常に大きな効果があります。共通のビルディングブロックで異なるシステムを作成でき、納品物には一切プログラムを行わず、C++とQtで作成したパーツを組み合わせるだけです。
Espen Skjong氏
Blue Ctrl社のテクニカルディレクター
同じ理由で、船内のポンプや他の装置を変更してもシステム全体には影響せず、特定のノードのソフトウェアとハードウェアの設定を調整することでローカルに処理することができます。
分散型システムメンテナンス
通常、ユーザーはインストール型のシステムを購入するだけで済みます。Blue Ctrl社は、新しいアップグレードやバージョンを展開することで、製品ライフサイクルの観点からシステムをサポートし、機能を追加するだけでなく、新しいQtバージョン、Yoctoビルドなどにもアップグレードします。
新しいX-CONNECTは定期的にリリースされます。Blue Ctrl社は、VPN経由でソフトウェア更新をリモートで操作できます。顧客は自分のオフィスや船上からも便宜に応じて展開できます。つまり、コントローラーまたは他のハードウェアのいずれかが故障した場合、顧客はそれを自力で交換し、GUIステーションを介してそのノードに構成ソフトウェアを自動的に再展開できます。
特定のコンポーネントのカスタムバージョンが必要な場合、X-CONNECTのDesign StudioはQtプロフェッショナルサービスと共同で構築されており、簡単に作成でき、構成ツールで利用可能です。
X-CONNECT StudioとGUI mimic editorでは、システム全体の構成を編集することができます。コンポーネントのドラッグ＆ドロップ、パイプやその他のオブジェクトの描画が可能です。新しいコンポーネントを設定し、システムに統合するのも非常に簡単です。
以前は、一行ずつコードを編集し、ロジックを追加するなど、すべては手作業でした。今では、ビジュアル編集によって完全に自動化されています。コンポーネントを追加し、GUIツールで相互に接続するだけで、システムが自動的に処理し、パイプラインや電力線などの接続はGUIで自動的にアニメーションされるため、時間を節約できます。
Espen Skjong氏
Blue Ctrl社のテクニカルディレクター
プラットフォームという働き方
Blue Ctrl社がプロジェクトベースから製品ベースの開発アプローチへの移行は、Qt ベースのプラットフォームエンジニアリングによって、複雑さ、市場投入までの時間、コストを劇的に削減しました。
以前、さまざまな分野の知識と能力を持つ 3/4 の人員がいて、それらを組み合わせてプロジェクトを実現していました。現在では、すべてがツールチェーンに集約され、特定の領域（ネットワーク、データベースなど）のコアコンピタンスは必要ありません。
現在の環境では、1人のエンジニアが契約から納品まで約12週間でプロジェクトを完了させることができます。その担当者は通常、同時に2〜4件のプロジェクトに携わります。
Espen Skjong氏
Blue Ctrl社のテクニカルディレクター
このようなシフトは、 品質とメンテナンスにも大きな影響を与えています。プロジェクトベースでは、エラーはプロジェクトごとに一つずつ修正しなければならない。製品ベースでは、問題は一度きりで修正されます。
同じエラーは二度と繰り返しません。以前よりも短時間で全体的な品質を高めることができます。
Espen Skjong氏
Blue Ctrl社のテクニカルディレクター
