Qt Creator 12のリリースをお知らせいたします。
新機能

ツール > Compiler Explorer > Open Compiler Explorerを使用して、https://godbolt.orgからのCompiler Explorerを統合したエディタを開きます。コードを書いている間、Qt CreatorはCompiler Explorerにコンパイルを要求し、アセンブリを生成し、オプションとして実行し、その結果を表示します。これは、Compiler Explorerのウェブサイトと同様です。複数のエディタを開き、異なるコンパイラを設定することができます。設定を含むドキュメントを.qtceファイルとして保存して後で共有したり、実験を続けたりすることができます。このプラグインはデフォルトで無効になっているため、まず、ヘルプ > プラグインについて > Compiler Explorer(macOSの場合は Qt Creator > プラグインについて > Compiler Explorer)でプラグインを有効にしてください。
CMake 3.27以降では、デバッグアダプタープロトコル(DAP)を介してデバッグ機能が提供されています。Qt Creator 12では、デバッグモード > DAP でDAPを使用してデバッグを行うため、プロジェクトのCMakeファイルにブレークポイントを設定し、CMakeの設定プロセスをデバッグすることができます。デバッグモードを経由せずに、デバッグ > デバッグの開始 > CMakeデバッグの開始でより直接的にCMakeのデバッグをトリガーすることもできます。
さらに、新しい 解析 > CMake Profiler メニューでは、プロファイリングモードでCMakeを起動し(CMake 3.18以降で利用可能)、結果をQt Creatorのトレースファイルビューアで開くことができます。
バグレポートや共有、ブログ投稿などのために、画面の又はその一部分の録画を簡単に作成できます。もちろん、上記の録画はScreen Recorderプラグインを使用して作成しました。このプラグインはデフォルトで無効になっているため、まず ヘルプ > プラグインについて > ScreenRecorder(macOSの場合は Qt Creator > プラグインについて > ScreenRecorder)でプラグインを有効にしてください。
その他の改善点
以下は抜粋です。Qt Creator 12の改善点や修正の詳細については、変更履歴をご覧ください。また、CMake統合の改善に関する詳細については、別のブログ投稿をご参照ください。
全般
編集
- ClangdとClangアナライザーツールをLLVM 17.0.1に更新しました。
- C++のリファクタリング操作には、複数の修正と拡張が加えられました。例えば、リネーム操作はドキュメントコメントにも適用されるようになりました。
- Markdownエディタにはテキストスタイル用のボタンが追加されました。
- Copilot統合にはプロキシサーバー設定が追加されました。
プロジェクト
- C++ファイルの命名とドキュメントコメントに関するプロジェクト固有の設定を追加しました。
- CMakeファイルのエディタには、関数、マクロ、ターゲット、パッケージの定義に移動できる機能や、ヘルプツールチップ、大幅に拡張された補完など、多くの改善が加えられました。
- インストーラからのPySideのインストールは自動的に検出されるようになりました。
商用ユーザーの皆様への注意事項:ライセンス規約の観点では、Qt Creator 12は「アップグレード」と記載されますが、商用ユーザーには無償でご利用いただけます。
Qt Creator 12 入手
オープンソース版は、Qtダウンロードページの Qt Creator から入手できます。商用ライセンス付きのパッケージは、Qt Account Portalで入手できます。Qt Creator 12は、オンラインインストーラーの更新としても利用できます。問題がある場合は、バグトラッカーに投稿してください。また、irc.libera.chatの#qt-creatorやQt Creatorメーリングリストでもお問い合わせいただけます。
Qt Creatorのマニュアルは、Qt Creatorのヘルプモードで読むことも、Qtドキュメンテーションポータルでオンラインでアクセスすることもできます。