この記事は The Qt Blog の Qt 3D Studio 1.1 Released を翻訳したものです。
執筆: Sami Makkonen, 2018年03月02日
Qt 3D Studio 1.1 をリリースいたしました。このリリースではユーザーインターフェースの大幅な改善がなされ、UI とデータの連携方法についても改善がなされました。
Qt 3D Studio は 3D のユーザーインターフェースを構築するためのデザインツールで、Qt ベースのアプリケーションに 3D のコンテンツを埋め込むことができるようになります。Qt 3D Studio では、3D コンテンツのルックアンドフィールやアニメーション、ユーザーインターフェースのステートを簡単に作成することができます。詳細については これまでの記事 をご覧ください。
Qt 3D Studio のユーザーからいただいた多くのフィードバックを受けて、アプリケーションの内部データを Qt 3D Studio の世界へ渡すところの改善に取り組み、Data Input と呼ばれる新機能を追加いたしました。バージョン 1.1 ではこの機能はテクノロジープレビューで、現時点でテキストと数値付き範囲の2つの型のデータを扱うことができます。数値付き範囲は主にアニメーションのコントロールで使われます。テキストの方はユーザーインターフェースのテキストやスライドの変更に使われます。データインプットの使い方の詳細は ドキュメント をご覧ください。
1.1 のリリースでは Behavior Scripting API もテクノロジープレビューに追加され、QML や JavaScript を用いたランタイムによる操作が可能になりました。Behavior スクリプトにはスクリプト自体を変更せずともスクリプトの振る舞いを変更するためのプロパティ機能があります。また、スクリプトは(ステートの変更など)ユーザーインターフェースの変更のトリガーとなるイベントを発生させることも可能です。
Behavior スクリプトを使うと、例えばカスタムアニメーションやシミュレーション用のデータの生成、ユーザーインターフェースに対するイベントのカスタムフック(キーボード操作)の実現が可能です。
Qt 3D Studio 1.1 は Qt のオンラインインストーラーのツールセクションよりインストール可能です。Qt オンラインインストーラーは Qt のダウンロードページ から入手可能です。商用ライセンスをお持ちの方は Qt Account からパッケージのダウンロードが可能です。インストールディレクトリ直下の examples フォルダにはサンプルアプリもあります。その他のサンプルやデモは https://git.qt.io/public-demos/qt3dstudio リポジトリでも公開しています。Qt 3D Studio の不具合を発見したり、新機能の提案を行いたい方は bugreports.qt.io で Qt3D Studio project を指定して報告をお願いします。