この記事は The Qt Blog の Qt Visual Studio Tools Insights を翻訳したものです。
執筆: Karsten Heimrich, 2017年1月27日
Qt Visual Studio ツールの開発にあたって、拡張機能のアップデートのローカルでの動作確認やテストをどうするかを考える必要がありました。Visual Studio ユーザーのみなさんの多くはご存知と思いますが、この IDE には自分のプライベートな拡張ギャラリーをセットアップする機能があります。これには「ツール > オプション」ダイアログの「拡張機能と更新プログラム」の中の「その他の拡張ギャラリー」を開く必要があります。
最初に、生成された VSIX をディスク上のあるフォルダに置いて、単にそのフォルダを URL に入力してみました。「拡張機能と更新プログラム」を確認したところ、生成したツールの更新は検出されていませんでした。なにかの設定ファイルが必要かな?これは意外と手強いぞ、と思いながらインターネットを検索してみたところ、 こちらの記事 にたどり着きました。設定ファイルは Atom のフィード形式のフォーマットであることが分かりました。
Visual Studio は Atom のフィード形式を拡張しヘッダーとエントリーを利用しています。ヘッダーは一度だけ出現し、エントリーは複数回出現することができます。まずヘッダー側のタグを見てみましょう。
<title> リポジトリの名前.
<id> このフィードのユニークID
<updated> フィードの更新日時
これらは実際の機能とはあまり関係ないようにみえますが、一応ちゃんと入れておきましょう。
entry タグの方は重要で、こちらに実際のパッケージの情報が含まれます。オプションのタグもいくつもありますが、一番重要なものをここで紹介します。パッケージの更新を行うには <Vsix> タグを entry タグの直下に置き、その中に以下の二つのタグを追加する必要があります。
<id> VSIX の ID
<version> VSIX のバージョン
バージョン番号を増加すると、VSIX をビルドしなおさずとも Visual Studio はパッケージの更新の通知を表示します。これら以外のタグの詳細については こちらのドキュメント を参照してください。最低限のフィードファイルからはじめたい場合は 私たちのコード をコピーして使っていただくことも可能です。
私がなぜこういったことを説明しているのか不思議に思う方もいるかもしれません。元々は次の Qt Visual Studio Tools のリリースについて書く予定でしたが、これにこの件についても共有することにしました。単純に、Visutl Studio の拡張機能の更新をする誰かの役に立つかもしれないと思ったのです。そして、最後ではありますが以下の点を改善した Qt Visual Studio Tools のアップデートをリリースいたしました。
The Qt Company は Qt Visual Studio Tools 2.1 のリリースに向けてよりよいインストーラーを準備しました。ダウンロードは Qt Account もしくは download.qt.io からお願いします。Visual Studio 2013 および Visual Studio 2015 の Visual Studio Gallery からも入手可能です。
今回のリリースでなにか問題を発見した方は、(既に同じバグが報告されていないかをチェックした上で)bugreports.qt.io に詳細を報告してください。 開発者メーリングリスト や 開発者フォーラム での議論への参加や、その他様々な方法 でも Qt への貢献は可能ですのでよろしくお願いします。