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Qt Creator 2.5 ベータ

作成者: 朝木卓見|Mar 23, 2012 12:22:25 AM

この記事は Qt Blog の "Qt Creator 2.5 beta" を翻訳したものです。
執筆: Daniel Teske, 2012年03月15日

Qt Creator 2.5 ベータを公開しました。このリリースには素晴らしい新機能が満載されています。その全てをここで紹介することは出来ませんが、いくつかを簡単に紹介します。

C++11 の標準は昨年の9月に公開されました。Qt Creator 2.5 では、nullptr、constexpr、static_assert、noexcept、インラインネームスペース、auto、ラムダ関数などの C++11 への対応が強化されました。また、以下のような新しいリファクタリング機能も実装されました。

  • 未定義の識別子に対応する #include の挿入
  • 関数の抽出
  • 引数リストの再配置
  • 宣言と定義の同期の強化: 関数宣言の引数名の変更を関数の定義に自動的に反映

Linux や MinGW 上でのデバッグ時には std::shared_ptr, std::unique_ptr, std::array などの C++11 の新しい型の表示に対応しました。std::complex, boost::posix_time::{ptime,time_duration}, boost::gregorian::date の表示の対応も Qt Creator 2.5 で追加されました。さらに、ポインタの示す先の動的な型の推定が前にも増して正しく行えるようになり、推定後の型で表示されるようになりました。

2.4 ベータ の前日には オープンガバナンス が始まりました。その後、78名のユーザが Codereview を使って Qt Crator にパッチを提出しました。素晴らしいことですし、 gerrit のパワーと使いやすさを示しています。 gerrit をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、それは gitorious に対する素晴らしい改良です。いくつかのコマンドで gerrit をセットアップ すると、レビュー用パッチの提出はただ git push するだけになります。ただし、提出した変更のレビュアーの設定をお忘れなく。

2.5 への大きな貢献の一つが TODO プラグインです。まだまだ仕上げが残っているためデフォルトでは無効になっていますが、それでもとても便利な機能です。是非「ヘルプ」→「プラグインについて」から有効にして試してください。Dmitry と Vasiliy に感謝します。Qt Crator へ貢献してくれた全ての人々にも感謝します。特に Orgad は素晴らしい貢献をしてくれました。彼は30以上のコミットで貢献しただけではなく、我々の QA チーム以外では最も多くのバグを報告してくれました。実際、ベータリリースの数時間前にもクラッシュする問題を発見してくれました。

これらの大きな機能以外にも、2.5 には多くの小さな機能が含まれています。その中から二つ紹介します。

  • クリップボードの履歴。 Ctrl+Shift+V で切り替えます
  • ビルドエラーをエディタの余白に小さなアイコンで表示します。また、編集に伴ってビルドエラーの行数を更新します。最初のスクリーンショットをご覧ください。

それから、ブログで既に紹介済みの「Qt Quick 2 のデバッグ – Console API」と「QML プロファイラのアップデート」も忘れてはいけません。

2.5 の詳細な変更点は、変更履歴 を参照してください。

Qt Creator は http://qt-project.org/wiki/Qt_Creator_Releases_Japanese からダウンロードしてください。

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