この記事は Qt Blog の "Qt Creator 2.5 beta" を翻訳したものです。
執筆: Daniel Teske, 2012年03月15日
Qt Creator 2.5 ベータを公開しました。このリリースには素晴らしい新機能が満載されています。その全てをここで紹介することは出来ませんが、いくつかを簡単に紹介します。
C++11 の標準は昨年の9月に公開されました。Qt Creator 2.5 では、nullptr、constexpr、static_assert、noexcept、インラインネームスペース、auto、ラムダ関数などの C++11 への対応が強化されました。また、以下のような新しいリファクタリング機能も実装されました。
Linux や MinGW 上でのデバッグ時には std::shared_ptr, std::unique_ptr, std::array などの C++11 の新しい型の表示に対応しました。std::complex, boost::posix_time::{ptime,time_duration}, boost::gregorian::date の表示の対応も Qt Creator 2.5 で追加されました。さらに、ポインタの示す先の動的な型の推定が前にも増して正しく行えるようになり、推定後の型で表示されるようになりました。
2.4 ベータ の前日には オープンガバナンス が始まりました。その後、78名のユーザが Codereview を使って Qt Crator にパッチを提出しました。素晴らしいことですし、 gerrit のパワーと使いやすさを示しています。 gerrit をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、それは gitorious に対する素晴らしい改良です。いくつかのコマンドで gerrit をセットアップ すると、レビュー用パッチの提出はただ git push するだけになります。ただし、提出した変更のレビュアーの設定をお忘れなく。
2.5 への大きな貢献の一つが TODO プラグインです。まだまだ仕上げが残っているためデフォルトでは無効になっていますが、それでもとても便利な機能です。是非「ヘルプ」→「プラグインについて」から有効にして試してください。Dmitry と Vasiliy に感謝します。Qt Crator へ貢献してくれた全ての人々にも感謝します。特に Orgad は素晴らしい貢献をしてくれました。彼は30以上のコミットで貢献しただけではなく、我々の QA チーム以外では最も多くのバグを報告してくれました。実際、ベータリリースの数時間前にもクラッシュする問題を発見してくれました。
これらの大きな機能以外にも、2.5 には多くの小さな機能が含まれています。その中から二つ紹介します。
それから、ブログで既に紹介済みの「Qt Quick 2 のデバッグ – Console API」と「QML プロファイラのアップデート」も忘れてはいけません。
2.5 の詳細な変更点は、変更履歴 を参照してください。
Qt Creator は http://qt-project.org/wiki/Qt_Creator_Releases_Japanese からダウンロードしてください。
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