この記事は Qt Blog の ”Qt Creator 2.2 released" を翻訳したものです。
執筆: André Pönitz 2011年5月6日
Qt Creator 2.2 のリリースをアナウンスできることをうれしく思います。
前回のリリース から10週間もたっていませんが、今回のリリースにはアップデートする価値のある多数の新機能やバグフィックス、改善が含まれています。
そのいくつかに注目してみましょう:
- Hugues Delorme による Bazaar バージョン管理システムサポートの追加
- MSVC ツールチェインのデバッグサポート全体の再設計により、大幅なスピードの改善と Qt Coreator 自体のバイナリに依存せず 32bit および 64bit バイナリのデバッグが可能になりました。
- MIME 型ベースのファイルとエディタの対応設定の追加(オプション(環境設定)の→「環境」→「MIME タイプ」を見てください)
- Nicolas Arnaud-Cormos によるテキストエディタでのマクロの保存と再生機能の追加
- エディタにスニペット(コードテンプレート)設定を追加。C++ や QML 用のスニペットは既に設定済みです(オプション(環境設定)の「テキスト エディタ」→「スニペット」を見てください)。スニペットではプレースホルダ(テンプレート変数)をサポートしています。
- 外部ツールとの連携の設定機能を追加。Qt の翻訳ツールである
lupdate
や lrelease
との連携に使用していますが、それに限定されるものではありません。
- デバッガのツールチップをピン可能に
- Symbian のデバイス上でのデバッグエージェントである CODA サポートの追加
- Linux と Mac で Valgrind/memcheck ベースのメモリデバッグ機能を追加(「デバッグ(D)」→「アナライザ(A)」)
- GL シェーダ言語に特化したエディタの追加
既存の機能の改善を以下に記載します
- QML サポートの改善。URL やファイルのインポート時の補完やアタッチされるプロパティ等
- JSLint スタイルの警告 の改善
- QML 関数用のクイックアクセスフィルタの改善
- Qt Quick デザイナ の改善
- ツールチェインの手動設定のサポート
- QML/C++ 混在デバッグのサポート。QML から C++ プラグインのコードへのステップ実行など
- 現在のドキュメントのファイルパスなどの変数を利用したビルドステップのカスタマイズ
- プログラムのコマンドライン引数指定時にシェルの文法に従った適切なクォーテーションでの呼び出し
等々。詳しくは 変更履歴 を参照してください。
ソースパッケージ、Linux, Windows, Mac のバイナリパッケージは The Qt Developer Network からダウンロードしてください。ソースは git リポジトリ から直接入手することも可能です。
いつものように、提案があれば通常の方法で遠慮なく行ってください。例えば、バグトラッカー、メーリングリスト や Freenode の IRC の #qt-creator チャンネル でお願いします。
以下のスクリーンショットで Qt Creator の新機能/改善点の一端を見てみてください:
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メモリリークを発見
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スニペットによるコード補完
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QML の編集
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Quick ツールバー
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QML チュートリアル
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QML ヴィジュアルエディタ
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ライブラリの追加
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プロジェクト個別のエディタ設定
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外部ツールとの連携
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ターゲットの選択
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クイックアクセス
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Maemo のパッケージ生成
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シミュレータ
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Symbian 向けアプリの公開設定
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プロジェクトの実行設定
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プロジェクトのビルド設定
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デバッガ、ローカル変数と監視式
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最後ですが、ようこそ画面 ;-)
Qt Creator 2.2 は Qt SDK 1.1 にはまだ含まれていませんが、もちろんその予定はあります。アップデートをお待ちください。