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2月 23, 2011 by 朝木卓見 | Comments
昨年から「Qt@福岡」さんが勉強会を開催されていますが、それに触発されて関東でも Qt の勉強会が開催されました。その「第一回関東Qt勉強会」に参加してきましたので、簡単なレポートをしたいと思います。勉強会の様子は Twitter の #qtjp ハッシュタグでつぶやかれてますので、そちらでもある程度伺えるのではないかと思います。
今回の勉強会は @himamura さんがメインとなって開催されました。一週間前に Twitter での告知という限られた状況での開催でしたが、20人の定員が一日足らずで埋まるという盛況でした。会場は アイティメディア株式会社 さんの会議室をご厚意でお借り出来たそうです。
まずは参加者の自己紹介の後、 @stakemura さんから Qt の利用事例についての発表がありました。Google Earth や Autodesk Maya 2011 などの Qt を利用したアプリケーションの簡単な紹介の後、社内での利用事例についてお話しされました。CG を作成するツールを Qt を使って内製していらっしゃるとの事で、Qt の LGPL の採用や Audodesk 社の Maya 2011 での Qt の採用がきっかけとなって Qt を利用する事になったそうです。
それまでは .NET など様々なツールキットを使ったツールが混在していたそうですが、C# よりも社内での理解度の高い C++ ということ、デザイナーの方々でも使用可能な Python からも利用できる事、GUI デザイナが利用できる事などを Qt の利点として述べられました。
逆に欠点としては .NET や C# などに比べてコミュニティの規模が小さい事や、文献の少なさ、公式の Windows 用の 64bit バイナリの欠如や PyQt が GPL ライセンスであること、LGPL の PySide は 64bit に対応していない事などをあげられていました。
@stakemura さんは Qt で DirectX を利用するサンプルプログラムである「QtDXSample」も作成、公開されておられるそうです。
@chiyama さんも同じく CG 業界における Qt ということで、Autodesk 社の 3ds Max や Maya など複数のツールで利用できるプラグインの作成に Python と Qt を利用した事例を紹介されました。豊富なプラグインなどで日本でも人気の 3ds Max だそうですが、独自スクリプトでの対応となり Python などは標準では利用できないため、過去に公開されていたオープンソースプロジェクトのコードをベースに Python + Qt で 3ds Max や Maya のどれでも動くような仕組みを作られたそうです。
CG 業界では Python と Qt の組み合わせがデファクトスタンダードになっているそうです。
Qt の問題としては、先の @stakemura さんと同様に 64bit 版の公式バイナリの欠如や(それに伴ってビルドが必須であるにもかかわらず)ビルド時間が長い事などをあげられていました。
利点としてはやはり GUI デザイナが便利な事だそうです。Qt の UI ファイルを pyuic を用いて Python に変換して利用されているそうです。
この他、@kenya888 さんから MeeGo Tablet UX 1.2 Pre-Alpha や Twitter で話題となった Android Qt Creator のデモがありました。人気の Android で Qt を利用するという事に関しては興味のある方も多かったようです。
今回は初めての勉強会の開催ということもあってか、事例紹介や今後の勉強会の方針の話し合いなどがメインでした。Qt そのものの紹介やインストール、ハンズオンなどは、次回以降に盛り込まれていくことになりそうです。
次回の日程はまだ決まっていませんが、三月中には開催したいとの事でした。今後の詳しい情報を入手されたい方は、関東Qt勉強会のページが作成されていますので、そちらをご確認ください。メーリングリストで次回以降の開催について議論されると思います。
お二人の事例紹介が偶然にも CG 関連という事で、どちらも Python + Qt という組み合わせについてのお話しであったが興味深かったです。昨年の Qt Developer Days in Munich での Dreamworks 社によるキーノートでも Qt の CG 業界での利用事例を紹介していただいたのを思い出しました。
今後の方針を決定するためのアンケートで組み込みに興味のある人とデスクトップ系の人とがほぼ半々であったのも、なかなか興味深い状況でした。全体の半分近くの方々は Qt にはほとんど触れた事がないという事ですので、こういった方々に触れていただくための活動を勉強会以外でも行わなければいけないなと改めて思いました。
次回以降の開催や、このような集まりがさらに広がっていくのを楽しみにしております。
Download the latest release here: www.qt.io/download.
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