この記事は Qt Blog から、 "Qt Creator build service plug-in" を翻訳したものです。
執筆:Knut Yrvin 2011年1月21日
Qt はクロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワークです。その Qt を使用する場合、複数のプラットフォームをターゲットにしたアプリケーションを開発するのは簡単であるべきでしょう。しかし、Debian や Fedora、openSUSE などの複数の Linux のディストリビューションに対する配布パッケージの作成を実際にするのはそれほど簡単ではありません。いくつもの異なるディストリビューション向けに専用のパッケージを作成し、メンテナンスし続けるのはとても時間のかかる作業です。もしそんな作業を他の人がやってくれて、その分の時間をアプリケーションの開発に割けたらいいと思いませんか?
"openSUSE ビルドサービス(略して OBS)" というコミュニティプロジェクトは、このチャレンジに対する一つの答えです。OBS では各 Linux ディストリビューション向けのパッケージのビルド作業を行うことができます。あなたの開発したアプリケーションのソースコードを OBS のサーバーにアップロードし、ターゲットのディストリビューションを選択し、しばらく待てばディストリビューションに応じたバイナリができあがります。
ここ数年間、私たちはコミュニティの方々からこのビルド問題に対する多数のリクエストをいただきました。2008 年にベルギーで行われた KDE カンファレンスでは、Klass Freitag がコミュニティの開発者に対して openSUSE ビルドサービスを使うことを提案していました。各ディストリビューション向けのパッケージを "クリックしたらビルド" ができるソリューションがもうあって Qt のアプリでも使えるんだから、IDE に統合しようよと。
いくつものコミュニティのグループからのフィードバックを受け、私たちは Qt Creator が OBS と連携するためのプラグインの開発をスポンサーすることにしました。そして、本日ベータ版のリリースをお知らせできることを心よりうれしく思います。
この最初のベータ版は Qt Creator 向けのリリースです。開発者の一人である Frank Karlitschek は、フリーソフトウェアの開発者の皆さんの、このテストへの参加を強く望んでいます。Frank は他の IDE への移植についても約束しており、 Eclipse や KDevelop は有力な候補となっています。彼は「この Qt Creator 向けのプラグインを vim や Emacs 向けに移植する人も現れるのでは?」とも言っていました。
この Qt Creator のプラグイン自体は色々面白い側面を持っています。一例をあげると、このプラグインでは libAttica などのソーシャルメディアライブラリを通して freedesktop.org のサービスを利用していますが、そのライブラリは MeeGo プラットフォームでも正式に採用されています。
詳細を知りたい方は以下のページを参照してください。このプラグインのドキュメントの入手やダウンロードが可能です。