Qtブログ(日本語)

Qt Developer Days San Francisco 2010

作成者: 鈴木 佑|Nov 10, 2010 8:20:13 AM

11月1日からの3日間、ミュンヘンに引き続きサンフランシスコでも Qt Developer Days を開催しました。こちらも2年前に比べて2倍以上となる600人以上の方に参加していただき、非常に盛り上がったイベントとなりました。

Day 1

初日は Qt のトレーニング が行われました。

  • Qt Essentials
  • ModelView & Multithreading
  • Qt Quick
  • Qt Mobile Development for Nokia Devices

の4つのトラックを設け、Qt の公式トレーニングパートナーによるトレーニングが行われました。それぞれのトピックについて、基本から応用までをじっくり学んでいただき、非常に充実した一日となりました。Qt Quick のセッションでは想定以上の参加者が集まり会場に入りきらなくなったため、急遽2つの会場に分かれてのトレーニングになる等のハプニングもありました。

また、午後からは Qt in Education と称し、教育現場で Qt を使用している方に向けたトラックも設けられました。

夕方からは Qt の公式パートナーで、今回の Qt Developer Days のプラチナスポンサーの Tieto 社スポンサーのウェルカムパーティーが開催されました。Day 2 から始まる本番を前に、世界各地から集まった Trolls と色々な話をする非常にいい機会でもあり、また参加者同士で情報交換をする楽しい機会でもありました。

Day 2

2日目の午前中は キーノートセッション が行われました。

ミュンヘン同様 Nokia Vice President の Sebastian Nyström によるオープニングスピーチではここ12ヶ月の Qt の状況やエコシステムの推移、これからの Qt の進む方向についての話がありました。

Nokia CTO の Rich Green による「Qt and Nokia」では、CTO とはどういう仕事なのかという話題から始まり、10月21日の Nokia のプレスリリース「Nokia は全てのプラットフォームに対して Qt にフォーカスしていきます」という発表に関連した、Qt に対する力強いコミットメントがありました。

引き続き、DreamWorks Animation 社の Kenn LeGault 氏によって「アニメーション制作の裏側」というセッションが行われ、アニメーション映画作成の流れや、その過程でどのようなツールが使用されるのか、なぜ既存のツールを使わずに自社で開発しているのか、ツール開発における Qt の優位性などの話が行われ、Qt Developer Days 直後の 11月5日公開の映画「MEGAMIND」の一部を実際に見せていただきました。

New York Times Bestseller の著者で、Cisco の Senior Vice President of Strategy and Planning, Worldwide Operations の Inder Sidhu 氏による「Doing Both」というセッションではサンフランシスコでのビジネスの状況の話から始まり、なぜ Cisco がここ7年間で収益を2倍に、利益を3倍に、一株あたりの利益を4倍にできたのかという話がありました。キーワードは「Doing Both」。ある2つの選択肢がある場合に、どちらか一方を選択するのではなく、両方とも行うことで1+1を3以上にしていくという話でした。

Qt のプロダクトマネージャー Henrik Hartz による Qt Quick の概要ではカバーフローのサンプルを例に、Qt Quick がもたらす新たな code less, create more の世界が紹介されました。

Qt のチーフアーキテクト Lars Knoll によって Qt の今後のロードマップの紹介があり、Qt Quick のライブデモでは風船を割るシンプルなサンプルのコーディングが行われ、「2日あればこんな楽しいゲームも作れるよ」という横スクロールの Qt Quick のゲームのデモが行われました。

午後からは テクニカルセッションビジネスセッション が始まり、Qt 4.7 の目玉である Qt Quick や最新の Qt Creator、モバイル向けの開発などを中心に、Qt 4.8 に導入される新たな技術や WebKit を用いた最新の開発手法、MeeGo など初心者向けのものから上級者向けのものまで様々なセッションが行われました。

夕方からは「Troll Happy Hour」と称した懇親会に引き続き、ディナーパーティーが開催されました。この中では近年の Developer Days で恒例行事となっている「Fact or Crap」という○×クイズが各テーブル毎のチーム対抗戦で行われ、優勝チームには Nokia N8 が贈呈されました。

Day 3

3日目は2日目に引き続き、テクニカルセッション、ビジネスセッションが丸一日かけて行われました。各スポンサーによる展示ブース ではデモや実際の製品の展示も行われ、各セッションの合間にはこちらも大変にぎわっていました。

Qt Developer Days で行われた各セッションの資料については後日公開される予定です。

おわりに

今年の Qt Developer Days もミュンヘン、サンフランシスコともに大成功に終わりました。参加していただいた皆様には、各セッションや懇親会などを通して Qt に対する様々なフィードバックをいただいたことに感謝を申し上げます。また、今回のイベントを通じて、Qt が様々な規模のプロジェクトで幅広い分野にわたって利用されており、世界中の開発者に愛され、今後の成長も非常に期待されていると感じました。

12月にはアジアの各国において同様のイベントを以下の日程で開催します。

Qt Developer Days の内容を1日に凝縮するとともに、各地域に向けてアレンジした素晴らしいイベントにする予定ですので、是非ご参加ください。