Qt 4.7 と Qt Creator 2.0 のテクノロジープレビューがそれぞれ2010/3/11にリリースされました。
テクノロジープレビュー(TP) は次期バージョンで導入予定の機能を早めに試していただくことによって新機能をいち早く体験し、その機能の問題点や改良点等を指摘していただくためのリリースです。Qt 4.6 & Qt Creator 1.3 からは約三ヶ月という早いタイミングでの TP となりましたが、新規に追加された機能としては決して小さいものではありません。今回のリリースを通じて、Qt 4.7 & Qt Creator 2.0 に導入予定の機能を簡単に紹介していこうと思います。
Qt 4.7 & Qt Creator 2.0 テクノロジープレビューの主な新機能としては下記のものがあげられます。
Qt 4.7 の新機能の詳細を知りたい方は What's New in Qt 4.7 をご覧ください。
Qt Blogs や Qt Labs Blogs をご覧になられていた方には Qt Kinetic, Declarative UI, QML 等のキーワードで語られていた Qt の新しい UI 作成のフレームワークのことをご存知だと思います。これらの機能がようやく Qt Quick(Qt User Interface Creation Kit) としての最初の一歩を踏み出しました。この機能は Qt だけで実現するものではなく、Qt と Qt Creator の双方を合わせて実現するものとなります。
Qt Quick は具体的には
といった機能を利用して実現されています。
Qt Quick ではプログラマとデザイナの共同作業にフォーカスしたアプリケーション作成方法を提供します。C++ はもはや UI の作成には必須ではなくなります。新しいビジュアルエディタとQML & JavaScript によって作られる新たなユーザ体験をぜひ体験ください。
パフォーマンス専門チームの作成や自動テストのパスを必要とする開発プロセスへの移行などを通じて Qt のパフォーマンスとクオリティの双方をより重視した体制となりました。パフォーマンスもクオリティも従来以上に改善しています。
Qt 4.6 から導入された [qt QtMultimedia v=4.7-snapshot] モジュールにプレイリストの再生等の様々な機能が追加されました。
システムからネットワークの情報を取得し、その状態を確認してアプリケーションのネットワークの利用を制御することなどができるようになりました。
Qt Creator 1.3 では Symbian サポートを試験的に導入しましたが、2.0 ではさらに Maemo もサポートが加わりました。組み込み向けアプリケーションをデスクトップ向けアプリケーションと同様に簡単に開発できるようにします。
ぜひ、Qt 4.7 と Qt Creator 2.0 のテクノロジープレビューをダウンロードして試してください。Qt Creator 2.0 のテクノロジープレビューには各プラットフォーム向けのバイナリも用意してあります。