CASE STUDY

Qtでデジタルコックピットコンセプトを構築

マルチスクリーンのデジタルコックピットをQtで構築

Qt を使用してデジタルコックピットを設計、開発、展開する手法を解説します。また、このデモでは、自動車業界における HMI デザインとユーザー エクスペリエンスの今後のトレンドを探ります。

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Outrunプロジェクト

The Qt Companyは、お客様の立場に立ち、未来のドライブ体験を想像し、そのビジョンを実現するために必要なことを直接体験したいと考えました。

初期のデザイン検討から、UIの実装、視覚効果の作成、接続性の構築、そしてターゲット環境での実行に至るまでのステップをご紹介します。

まずは、デジタルコックピットを紹介するビデオで、ツアーを始めましょう。

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2023 新機能

Outrun HMIコンセプトは、新たな自動車トレンドを反映し、最新のテクノロジーの進歩を取り入れ、Qtフレームワークの機能を示すために絶えず進化しています。過去数か月にわたり、製品向けの自動車HMIに近づけるために、多くの新機能を追加しました。地図とナビゲーションに加え、乗客の画面向けの専用機能への道を開く第三者アプリにアクセスする可能性も提供しています。また、Android AutomotiveをOutrunと完全に統合するために、Qt for Android Automotiveの能力を示すために取り組みました。

  • ウェルカムアニメーション
  • Qt for Android Automotive
  • 地図
  • アプリ
  • メディア拡張

ウェルカムアニメーション

クラスターアプリケーションは、Qtの新しいラインパーティクルシステムを使用した、印象的なウェルカムアニメーションを備えたアップグレードが行われました。

ラインパーティクルはQtQuick3D(バージョン6.4以降)に含まれており、Qt Design Studioでも数クリックで素晴らしいアニメーションやスプラッシュスクリーンを作成できます。

パーティクルエフェクトは、ユーザーを最初から引き込む高品質で没入感のあるエクスペリエンスを提供します。

デザインフェーズ

まず何よりも大切なのは、何を、なぜ作りたいのかを理解することです。ゴールと要件を定義した後、デザインコンセプトの段階に入り、ビジョンが具体化する最初の一歩を踏み出すのです。

  • リサーチ
  • ビジョンをデザイン
  • アイデアをカタチに
  • ユーザーフローと事例
  • UIとインタラクション

リサーチ

テクノロジー、ビジュアルデザイン、データの可視化についてトレンドを常に把握することが、多くのプロジェクトの出発点となっています。今回のプロジェクトでは、進化するテクノロジーによって、クルマとの接点がどのように変化していくのかを想像することが、重要なインスピレーション源となりました。 

その結果、シネマティックな外部環境のリアルタイムビジュアライゼーション、リアルタイム3Dグラフィックスによるドライビングムードの演出、そしてビデオゲームの没入感からインスピレーションを取り入れました。デモの名前やビジュアルも、セガの名作『OutRun』と、それに由来するレトロなシンセサイザーのクールな音楽にオマージュを捧げています。

 

デザインからプロトタイプまで

デザイナーから開発者への引き継ぎは重要なステップですが、従来は試練ともいえる大きな工数のかかるステップでした。Qtは、単なるプロトタイピングにとどまらず、デザインブリッジの活用やコンポーネントの再利用性など、よりシンプルな方法を提供します。

  • デザインのインポート
  • インタラクションの構築
  • コンポーネントの作成
  • データバインディングの追加

デザインのインポート

QtはUIデザイナー、テクニカルアーティスト、デベロッパーのチームワークを可能な限り円滑にし、「デザインの受け渡し」のステップを完全になくしたいと考えています。そのために開発したのが、デザインブリッジです。ブリッジを使用すると、Figma、Sketch、Adobe XD、Photoshop などのツールから UI デザインやプロトタイプを直接 Qt Design Studio にエクスポートすることができます。

ブリッジは、UI デザイナーが意図したとおりに、すべてのアセット、レイアウト、コンポーネント、そして UI インタラクションをインポートします。デザインの進化に伴い、UI 開発者やテクニカルアーティストは、開発サイクルを通じて変更点を加えることができます。

 

3Dグラフィックス

3Dグラフィックスは、複雑なアイデア視覚化や、没入感のある環境を作り出す際に、非常に有効なツールとなります。それは人間が、3Dで世界を体験しているからです。UIに3D要素を含める場合もQtがサポートします。

  • リアルタイム用に最適化
  • 3Dアセットのインポート
  • マテリアルの適用
  • 見た目をさらに華やかに

リアルタイムレンダリングに適した​3Dアセットの最適化

高性能な組み込みプロジェクトの基礎は、クオリティの高いアセットが不可欠です。ここでは、このようなプロジェクトでアセットを最適化する際に、Qtがおススメするベストプラクティスを紹介します:

  • モデルのジオメトリがきれいであることを確認
  • 非表示のメッシュや未使用のデータをこまめに削除
  • 単色のマテリアルが使用されているシーンではインパクトのあるパーツに対しPBRマテリアルを使用
  • テクスチャーの数を減らし、視覚的なインパクトを考慮して適切にリサイズする

レンダリングの最適化のほとんどは、Qt Design Studio で行うことができます。ジオメトリは、3D アセット作成パイプラインで定義されます。

 

モーションデザイン

優れたモーションデザインは、UIを良い製品から一瞬でユーザーが息を呑む製品へと引き上げます。​アニメーションの力を見くびってはいけません。映画のようなカメラの動きと、魅力的なトランジションが、まるでその場にいるような感覚をもたらしてくれいます。

  • 映画のようなカメラワーク
  • 魅力的なトランジション
  • 状況認識
  • 効果的なアニメーション

映画のようなカメラワーク

従来の2D UIトランジションは、本のページをめくったり、PowerPointのスライドを切り替えたりするようなもので、役目は果たすものの特段印象的なものではありませんでした。ほとんどの場合にはUXではシンプルであることが重要かつ好ましいのは事実ですが、時には新しいことにチャレンジすることも必要です。

3Dを上手に活用することで、トランジションを次のレベルに引き上げるユニークな効果を与えてくれます。3D空間でカメラを動かすと、説得力のある映画のようなトランジションが生まれ、全体的な没入感を高めることができます。ユーザーの視線を誘導し、最も効果的なアングルからシーンを表示することができるのです。

視覚効果

シェーダーやポストプロセッシング、パーティクルエフェクトなど、視覚効果によってUIはさらにレベルアップします。

  • パーティクルエフェクト
  • カスタムシェーダー
  • ライトとシャドウ
  • オーディオの可視化

パーティクルエフェクト

Qtのパーティクルシステムを使って、空調の風量制御を印象的にビジュアル化したいと考えました。エンドユーザーが、タッチスクリーンでパーティクルを動かすことによって風向きの変更を確認することができます。すべてリアルタイムレンダリングなので、気温に応じてパーティクルの色が変化します。

また、雨、雪、煙、霧などの既成のエフェクトを使用することもできます。シーンにドラッグ&ドロップするだけなので、とても簡単に利用できます。

車とのコネクティビティ

美しいUIと派手なエフェクトがあっても、アプリがターゲットと通信し、シームレスに動作しなければ意味がありません。
すべては、現実世界において実際に機能できなければなりません。

  • クロスプラットフォーム対応
  • バックエンドの構築
  • パフォーマンスの分析
  • 品質保証

本質的なクロスプラットフォーム

Qt は本来、クロスプラットフォームソリューションであり、非常に高いスケーラビリティを提供します。このため、一度開発したGUIを、あらゆるOS、デバイス、ディスプレイに簡単に展開することができます。

Qtは、Linux、Android、AAOS、Mac、Windows、そして組み込み、デスクトップ、モバイル環境において Outrunデモ 走らせました。また、マルチOSコックピットのデモもあわせてご覧ください。

Are you ready?

最も大胆なアイデアを実現しましょう。Qtをダウンロードして、またはエキスパートによるデモでQtの魅力をさらに探ってみませんか?

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